隔月刊 風景写真 2020 9-10号T部門[秋・紅葉]最優秀作品賞




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テーマ部門 [秋・紅葉]
最優秀作品賞

【 月照 】







作者 / YOSUKE KIMURA

月虹、紅葉、そしてカシオペヤを入れる構図を狙いました。
滝の中央に月虹が見える時間は短く、さらにカシオペヤもいれるとなると非常に難しい条件でした。
星をにじませ星座を分かりやすくする目的でソフトフィルターを使用しましたが、地上風景も少し軟調になるのがネックでした。明るめの設定で撮影し、現像時に調整しています。







テーマ部門 [秋・紅葉]
審査員 / 選評 前川彰一 氏

谷間に鳴り響く夜の滝音にはどこか追い詰められた者の心境が思い浮かびます。
その夜滝の情景を天球が持つ明るさ、つまり月の明るさに加え星の光をも計算に入れたが故に、滝壺の虹を捉えることができました。
また、星が弱くならない絶妙な月齢の選択や配列の関連性を見据えた狙いは卓越した技能といえます。静夜の時には滝の音を目指して幾度も足を運んだ結果だと思われます。





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※画像2点は編集部から頂いたもの。
ブログ掲載許可確認済み(一部修正)













ここ数年、最も力を入れて取材し続けていた秋田の『 安の滝 』での受賞ということもあり、達成感をひしひしと感じています。安の滝は上下2段(落差90m)に分かれているのですが、その上段(60m)での撮影になります。


この写真を撮ることがどんなに大変だったことか…。
空にこれ程星の見える月齢の時期に紅葉と月虹を抱いた安の滝など見られるのだろうか?弱い月明かりで月虹は現れるのか?そもそも月が滝を囲む高い崖を飛び越えて、月明かりが上手く射し込んでくれるのだろうか?他に作例が無く分からないことばかりでした。



大きな月の夜に『 安の滝 』の撮影は何度もしたことはありますが、この頼りない月齢でこのアングルから狙った写真は自分の知る限り他では見たことが無く、星景写真として撮影するにはカシオペヤ座とアンドロメダを構図に入れることが大切でした。月明かり、月虹、カシオペヤ、アンドロメダ。このポイントを抑えて『 紅葉の時期 』に撮影することの難易度と言ったら…。
おまけに、滝にアクセスするには約45分のナイトハイクが必要になり、1人でツキノワグマの巣窟に飛び込む勇気を奮い立たせなければなりません。正直ここが一番の悩みでもありました。たった1枚の写真を撮るだけでこれだけの困難が待ち構えていました。



しかし、2年前に撮影した作品なので今見返すと色々欠点も見えてきます。
最も気になる点は星を滲ませる目的のソフトフィルターは空だけにかざすようにするべきでした。ソフト効果の最も弱いものを使用しましたが、地上風景にはソフト効果は全く必要ありません。できればもう少し星の並びが分かりやすくなるような、ソフト効果強めのフィルターを空だけに使用するべきでした。
それと、これは仕方がないのですがiso8000の高感度で撮影しているので、風景のディテールが甘くなっていることが気になります。EOS 6Dでこの超高感度はかなり厳しく、特に6Dは暗部が潰れがちなのでダイナミックレンジの広い今のカメラでもう一度撮り直したいところです。
紅葉のディテールは滝の影響で発生する強風で、もともとブレているのでどうすることもできませんが…。













『隔月刊 風景写真』を初めて購入したのは2006年の9-10号。カメラを初めた年の約一年後。
この当時の風景写真は中判フィルムカメラの作品ばかりで、デジタル一眼レフの画質を遥かに上回る作品ばかりが掲載されており、構図のレベルも含めCanon EOS KISS DIGITAL N で風景を撮り始めた初心者の自分には近寄り難いオーラを放つ雑誌でした。



「 きっとデジタルカメラでは相手にされない世界なんだろう… 」と勝手に解釈し、時々雑誌を買って大御所先生方の作品を眺めては感動のため息をついていました。まだ星景写真も知らない頃で、『隔月 風景写真』を教科書代わりにし暇を見つけては風景撮影に出かけていました。



日本を代表する風景写真の専門誌であることから、フォトコンテストは超ハイレベルで参加することを長い間躊躇っていました。
色々なフォトコンテストでタイトルを撮ってきたこともあり、そこそこ自信もあったのですが自分の中で『 隔月風景写真 』だけは別格で、仮にチャレンジして全く太刀打ちできなかったらこれまでの実績が全て崩れてしまうのではないか?という不安もありこれまでスルーしてきました。



しかし、隔風(隔月刊風景写真)のタイトルだけが無いというのも変なもので、まるで逃げているような後ろめたい気持ちを薄々感じていました。
ということもありチャレンジしてみたのですが、星景写真で作品投稿するも2016年と2017年に1度ずつ送り空振り。2019年に2度チャレンジするもまたもや空振り。
「 あぁ、やっぱり自分は隔風では通用しないのだな… 」と諦めかけてきた時に、5度目のチャレンジで2点作品を送った所、今回の『 2020年9-10号 』にて初めて掲載の通知が届きました。しかも最優秀作品賞という大きな賞で。



隔月風景写真の審査は他の写真雑誌と比べて審査も厳しいです。
殆どの雑誌系フォトコンはプリントを1枚送って審査を通過すればそのまま掲載になりますが、隔風はプリント審査のあとRAWデータといくつかの書類の提出を求められます。プリントとRAWデータで極端な違いがあった場合は審査に引っかかる為、撮影時の素のデータの完成度が求められるのでRAW現像やレタッチで誤魔化す手段は通用しません。



自分は1枚撮りに拘り、RAW現像ソフトで少々味付けする程度なので特に心配はいりませんでしたが、やはりRAWデータの提出は独特の緊張感がありました。
後日無事審査が通過したことの通知が届き、最優秀作品賞が正式に決定となった時はひと安心したのと、主に天文雑誌に投稿していた自分の星景写真が、風景写真の猛者が集まる場所で通用したという結果が非常に感慨深いものがありました。



審査員の前川彰一先生の選評を読むたび、これでやっと自分の撮る写真に自信を持って良いのだろうと思うことができました。
単なるまぐれ当たりの一発屋かもしれませんが、今回は大きな自信になりました。
これで調子に乗ることなく、今後も地道に星景写真を撮り続けて行こうと思います。
ありがとうございました。








あ、最後に話変わりますが、今回一番気にしている点が雑誌の後ろのページにあるプロフィール画像です。
なんか知らない自分が写っている。特に髪型が変だ 笑
6月に撮ってもらったばかりの写真なんですが、雑誌のモノクロのページに掲載されているのをみたら全然イメージとちがう 笑

そもそもモノクロページだから見当違いなこというけど、肌が浅黒く日焼けしているようにみえる(?)
もっとイケメンのハズなんだけどな~。これが一番衝撃的でした 笑

言い訳失礼しました。
















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by B-Grace | 2020-08-23 20:49 | フォトコンテスト


Yosuke Kimura( JBL)/ 星景は合成ではなく1枚撮り。 月光写真のブルーは心で感じた色を表現。 写真の使用や依頼などありましたらこちらのアドレスへ。 jbl4428※hotmail.co.jp ←※を@に変更(ジェイ・ビー・エル)


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